ことでん1080形還暦の赤プロジェクト
おかげさまで既に200万円を超えるご支援を頂いており、本当にありがとうございます
クラウドファンディングの仕組み上、最終日までに1500万円以上集まらなければこの企画は成立せず全てが水の泡となってしまいます
ですので是非とも引き続きご支援や情報拡散にご協力いただければ幸いです
宜しくお願い致します!!

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さてこのブログの湘南柱編のその1で「湘南柱は合成電車線の荷重に耐えられない」と書きましたが、実は例外的に合成電車線区間であっても現役な湘南柱がいくつかあります。
その一つはその2でご紹介した角柱タイプのものですが、そうではない先細り型鉄柱を持つタイプでも生き残っているのが居ます。
今回はそれら合成電車線区間で生き残る湘南柱をご紹介いたします

それでは現存が確認できている金沢八景から下って見ていきましょう

【金沢八景構内】
・八構7~10
複々線区間、何れも角柱タイプでビームはVトラスに取り換え済
これについては調査中の為また後日別記事にて記載いたします

【金沢八景~追浜】
・八追8
角柱タイプなのでそのまま使用されています
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・八追9
標準タイプ
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標準タイプですので鉄柱は先細り型、そのままでは合成電車線荷重に対する強度が不足するため、後付けの鉄板にて物々しく補強されているのが分かります

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補強された八追9号と逗子線内の湘南柱を比較すると一目瞭然
満身創痍な感じがしますが、この場所で生き残る為には必要なものなのです

ところでこの八追8・9号がある付近、昭和5年の開業時には築堤上ではなく国道16号線と同レベルの地表を走っていたようです
その後県道23号(環状4号線)との立体交差化が行われ昭和21年9月に現在の線路になったようですが、そうすると何故ここに昭和5年の湘南柱が建っているのか謎なのであります
ですが昔の京浜急行は「使えるものは多少の手間を惜しまず意地でも使う」気質があったように見受けられます。また今後のネタにしますが、かなり無理矢理な改造をしてまで湘南柱を使っているところもあるので、全くの推測ではありますが地上線時代の物を移設して使っているのではないかと思っております

【追浜構内】
角柱タイプで「S5.4」の札がある架線柱があり、ビームがVトラスに改造されているものの形態的にも湘南柱と思われるのですが、鉄柱の結合が全てボルト留めという謎仕様
こちらについても調査中ですのでまた今度ご紹介したいと思っております

【京急田浦~安針塚】
・田安28
平行ビームタイプ
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隧道と跨線橋に挟まれた目立たない場所にあります
鉄柱がビームより上に伸びていないのが特徴的です

・田安30
平行ビームタイプ
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こちらは片耳スタイル

・田安31
平行ビームタイプ
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平行ビームタイプの標準的なスタイルです

・田安37
標準タイプ
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標準タイプ・緑塗装・補強無し…こんなものが本線に残っていたとは

・田安38
標準タイプ
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こちらも山側の基礎部分が違う以外はほぼ同形態
安針塚駅ホーム端からよく観察できます

さて、聡明な読者の方ならおかしなことに気付くでしょう
「京急田浦~安針塚は合成電車線区間なのに補強も無い、角型タイプでもない湘南柱が何故あるのか」

どうやら答えは合成電車線にあるようです

先ずは標準的な合成電車線を見てみましょう
裸硬銅より線PH-150㎟が使われている吊架線がゴツイです
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次に非合成電車線区間のシンプルカテナリ―です
こちらの吊架線はアルミナイズド銅より線S90㎟が使われています
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そして問題の安針塚付近のものです
ちょっとややっこしいのが田安33~34号がエアジョイントになっており、そこで同じ合成電車線ながら種類が異なっていることです。
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田安34より品川方の電車線は、吊架線が細く明らかに非合成電車線区間のものであり、駅構内などで使われている簡易合成電車線に似たようなものと思われます
ですので田安28・30・31の湘南柱については補強が無いことの説明が付きます

一方、田安33より浦賀方については一見標準的な合成電車線に見えますが、よくみると吊架線が若干細く、より線の素線も細いように見えます。ただ本当に標準より細いのかは正直自信がありません。ただ田安37・38が無補強で残っている以上、標準の合成電車線とのなんらかの差異があるものと考えています
今後もさらに調査を続けていきたいと思います

【県立大学構内】
ここにも湘南柱がありますが大変面白い形態ですので、次回ご紹介いたします

【堀ノ内~京急大津】※上り線のみ合成電車線
・堀大6
角柱タイプ
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その2の記事でもご紹介した堀大6号です
ちょっと良い写真が無かったので、この区間だけ上り方面に向かって撮影していますスミマセン

・堀大7
標準タイプ
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八追9号と同様補強がされています
上り線側のみ懸垂がいしの滑動金具も取り付けられていて物々しさを感じます

・堀大8
標準タイプ
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・堀大9
標準タイプ
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知れば知るほど謎が深まる湘南柱の世界
まだまだ沼に沈んでいきそうです

寄稿:保線後ティータイム(Twitter:@hosengoteatime)

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